練炭や入水自殺などに使われた車の買取は?

自殺が行われた車の扱いって?

自殺車の買取査定

「事故車」といえば事故を起こした車、もしくは修復歴車というのが一般的な認識で、板金や交換など物理的な修理がなされたものを指しますが、では自殺が行われた車両とういのはどういった扱いになるのでしょうか?

自殺車両というのは練炭を用いた一酸化炭素中毒や海に飛び込む水没などが挙げられ、特に練炭自殺に用いられた車というのは外装や内装にダメージがなく、査定や販売においてどういう評価がなされるのか気になる人も多いのでは?

非常にデリケートな問題ながら、万が一自殺車両を手放さなくてはならなくなった…というケースも絶対に無いとは言い切れないので、ここでは自殺車両の買取や販売などについて詳しく取り上げてみたいと思います。

自殺車両ということを黙っていても良いの?

不幸にも万が一ご家族が車内で自殺をしてしまった場合、残ったご家族が乗り手のいなくなった車の売却を考えるというのが一般的。

例えばそれが家などの不動産の場合告知義務が発生し、売主は買主にその事実を告げる義務を負い、もしこれを隠したりすれば後に損害賠償請求をされることもあります。

これは仲介の場合はもちろん、不動産業者に売却する際も同様です。

一方で車の場合はそういった義務は存在せず、買取業者に売却する際にもわざわざ申告する必要はありませんし、万が一売却後に自殺車と発覚しても修復歴車のように差額を請求されるといったこともありません

これは裏を返せば我々が購入する中古車にもそういった車が紛れていることを意味し、中古車業者は購入者にそれを告げる義務はないことになりますが、それはまた別の話。

練炭などでの自殺の場合、査定のプロでもその形跡を見つけることは困難。

こちらから自殺があった車だと告げてしまうと買い叩かれる可能性があるので、売却額を重視するなら焦げやニオイがある場合はそれを可能な限り除去した上で、黙って査定に出した方が良いでしょう。

ただ、その車を知らずに買って乗る人のことを考えると良心が痛むのも事実なので、モラル的には告知したほうが良いと感じます。

■不動産と違い車の場合自殺などの事実を告げる義務はない
■焦げや臭いが残っている場合、可能な限り除去すればほぼバレない

車での入水自殺の場合告知義務が発生する

練炭での自殺の場合は形跡が残りにくいのでわざわざその事実を買取業者に申告する必要はありませんが、水没による自殺の場合は状況が大きく異なります。

というのも、水没は修復歴同様売主は告知する義務を負うからです。

ただしこれはあくまでも「水没の事実」を申告する必要があるということで、それによって死者が出たかどうかまでは知らせる必要はありません。

ただ、水没車という時点で査定は大きく下がりますし、冠水したことによる臭いや泥、汚れを完全に取り除いた上でしっかりと修理しない限り査定士は水没の事実を見抜きますので、黙っていてもすぐにばれてしまうでしょう。

車による入水自殺の場合ルーフまで完全に水に浸かってしまうことが想定され、そうなると修理費も膨大なものになりますので、自殺の有無はさておき廃車が妥当だと思います。

■冠水した事実は告知義務がある
■修理費のことまで考えると買取は現実的ではない

自殺の事実を告げる法的義務はないが…

これまでも書いてきたとおり、自動車は不動産と違い自殺があった場合でも売主に法的な告知義務はありません。

そんなこともあって練炭などを用いた場合は痕跡もほとんど残らないため、自殺の事実を隠したまま買い取ってもらうことも可能で、買取業者や購入者がそれを調べる方法もないため、後にそれがばれるようなこともまずないでしょう。

ただ、それを知らずに買ってしまう人の立場に立って「もし自分が自殺車と知らず買ってしまったら…」と考えれば良心が痛むのも事実で、故人のことまで考えた場合はしっかりと告知した上で売る、もしくは廃車が妥当だと思います。

不幸にもご家族を自殺で亡くしてしまった場合は、自身はもちろん故人のことも考え後悔のない選択をするようにして下さい。

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