車内がタバコ臭い喫煙車の査定は下がる?
タバコを吸う人にとって仕事が終わった後や食事の後の一服は何物にも代えがたい幸せな時間であるはず。私自身もかつては喫煙者だったのでその気持ちは痛いほど理解できます。
しかし喫煙者にとっては幸せな一時でも、タバコを吸わない方にとって副流煙や臭いは非常に迷惑なものだったりします。
現在日本全体で見た喫煙率は20%を切っており、中古車の価格を決めるものが「人気」であることを考えれば喫煙車の査定が下がってしまうのは仕方ないのかもしれません。
しかし喫煙車だからといって「一律○万円ダウン」というわけではなく、そこには喫煙の程度や車自体のベースとなる査定額などが関わってきますし、また必ずしもマイナスになるとも限りません。
車を買取・売却する際に気になるタバコの問題を詳しく解説していきます。
喫煙車で一番気になるのは「臭い」
タバコを吸っていた車が嫌われる理由は「臭い」と「汚れ」。
特に臭いは車に乗り込めば誰しもがまず気付く点であり、車内がタバコ臭ければ服にも臭いが移りますし、気分が悪くなる人がいることもあってタバコを吸わない人は最も気にする点といえるでしょう。
日常的にタバコを吸っている人はあまり意識しないかもしれませんが、車内のタバコ臭というのは非常に強烈。また狭い空間である車内でタバコを吸ってきた人が放つ臭いもまた強烈なのです。
当然ながらそれは内装のいたるところに染み付いています。
よほどの格安車でなければ行っているであろう車内クリーニングで取り除けるレベルであればまだしも、長年車内でタバコを吸ってきた車であればクリーニングで臭いを完全に取り除くのは難しいのが実情。
においを取り除けるかどうかは車種によっても異なります。
商用車のように鉄板がむき出しの部分が多く、拭きやすいシート、内装はすべて樹脂やプラスチックというのであれば臭いを取り除ける可能性も高まりますが、ファブリックなどを多用する車は相対的に取り除きにくくなります。
査定への影響は、臭いが取り除けない車であれば一般的な価格帯の車でおよそ5~10%程度のダウンになることが多く、金額にして5~10万円ダウンでくらいを見ておけばよいでしょう。
ただ、買い取り価格が20万円を切るような車であれば下がってもせいぜい2、3万円程度でしょうし、逆に買い取り額が300万円も400万円にもなるような高級車であれば下落幅も10万円を大きく上回る可能性があります。
車内のヤニや灰による汚れが査定に与える影響
タバコによって査定が下がってしまう要因は臭いだけではありません。タバコを吸っていた車の内装を拭くと雑巾などにべったりと付くヤニ汚れもマイナス要因に。
また、タバコを吸っていれば大なり小なり灰が舞ったり落ちたりしますから、こういったものも査定にはマイナスに働きます。
ただ、ヤニ汚れはタバコ臭の発生源でもありますから、ヤニ汚れがひどい場合は臭いもしっかりと残っている場合がほとんど。
つまり臭いが酷い車はヤニ汚れも酷い事が予想され、これはすでに上記の臭いによる査定ダウンに含まれているということになります。灰による汚れも簡単に除去可能とあって、これが査定に大きく影響する事はありません。
とはいえこれも程度の問題で、査定に持ってきた車の車内が灰だらけで汚ければ査定する人間の心象も悪くなります。査定に出す前にはなるべく念入りに車内の掃除をするように心がけてください。
タバコの火による内装の焦げや溶け
車の中でタバコを吸っていると、何かのひょうしで火種やタバコ自体を落としてしまいシートやフロアマットを焦がしてしまったり穴を開けてしまったりということがあるもの。
これは明確に査定ダウンとなります。
焦がしてしまった部位や数、車種や基本となる査定額によってダウン額は異なりますが、概ねシートで2~5万円ダウン、フロアマットやその他内装で1~2万円ダウンくらいを見ておいてください。
もちろんこれもベースとなる査定額によって大きく異なります。査定が低い車は影響が軽微、高い車はマイナス額も大きくなります。
内装は簡単に交換できないパーツも多く、またシートなどは内装の中でも比較的高価になりますので、車内でタバコを吸う際は火種などを落とさないように注意してください。
iQOSなどの加熱式タバコはどうなの?
車の中でタバコを吸うことで臭いやヤニ汚れが付着し買取査定に悪影響を及ぼすことはよく知られた話ですよね。
しかし近年はiQOS(アイコス)やグロー、プルームテックなど加熱式タバコが普及し始め、タバコを止めたいけどやめられない、だけど健康も気になるという人はこれらに乗り換えている人も多いのではないでしょうか。
そんな加熱式タバコを車内で吸った場合も買取査定は下がってしまうのか?
加熱式タバコによる臭いの影響
アイコスなどの加熱式タバコを吸っている人であれば分かると思いますが、これらは従来のタバコとは違う独特の匂いがありますよね。好見の問題はさておいて。
加熱式タバコを狭い車内で吸えば臭いがこもり、それを幾度となく繰り返せば紙巻きタバコのように臭いが取れなくなってしまう恐れがあります。
しかし、アイコスやグローなどの加熱式タバコの煙は、厳密には「煙」ではなく「水蒸気」。従来の紙巻きタバコに比べ臭いは圧倒的に残りにくくなっています。
まったく臭いが残らないわけではありませんが、窓を開けて多少数程度であれば匂い残りの心配はほとんどなく、買取査定にもほとんど影響を与えないでしょう。
臭いが残りにくい理由、それは後述するヤニ汚れと強い関係があります。
加熱式タバコのヤニ汚れは?
車内でタバコを吸うとベッタリと付着するヤニ汚れ。この「ヤニ」と呼ばれるものはタバコを燃やした際に大量に発生するタールです。
加熱式タバコは葉を燃やすことなく加熱するという性質上タールはほとんど発生しないとされます。実際加熱式タバコに替えてから部屋で吸ってもほとんど汚れないと実感している人は多数に上ります。
また、いわゆる「ヤニ」と呼ばれるタールは臭いの元としても知れら、頑固な汚れとして付着することで長期間にわたって嫌な臭いを放出します。これが少ないからこそ臭い残りも少ないのです。
タールの発生が少ない加熱式タバコだからといってまったく汚れが付かないわけではありません。しかし従来の紙巻きタバコに比べれば遥かに軽度であることもまた間違いないのです。
加熱式タバコには独特の匂いがあり若干ながらヤニ汚れを付着させますが、紙巻きタバコに比べれば問題にならないレベル。車内で多少吸う程度であれば買取査定に与える影響は少ないと見ていいでしょう。
加熱式タバコは紙巻きタバコのように火種が落ちて内装を焦がしてしまう恐れもないため、車に優しいタバコであることは確か。
…まあ吸わないに越したことはないんですけどね。
車の買取や売却まで考慮した喫煙の注意点
車の売却を考えたとき「喫煙」は査定でマイナスになる事はあってもプラスになる事は絶対にありません。
それでも貴重なひとりの空間である車内での一服は何物にも変えがたく、なかなか止められないという気持ちも理解できます。そのため将来の査定を見据え評価を落とさないタバコの吸い方をいくつか紹介します。
必ず窓を開ける
まずは月並みですが必ず窓を開けて吸うこと。
窓を開けなければ車内はたちまち煙たくなってしまうので喫煙の際の窓開けは多くの人が実践していると思います。可能な限り広く開け、またできるだけ多くの窓を開けることで臭いやヤニの付着を抑えることができます。
近年はデザインが崩れるという理由から輸入車を中心にドアバイザーを付けない動きが徐々に広がりつつありますが、喫煙者にとっては雨が降っていても窓を開けることができるドアバイザーは必須装備と言えるでしょう。
運転中は吸わない
そして可能な限り運転中の喫煙も避けるべきです。
運転中はどうしても周りの状況に気を配る必要がありますので、灰を落とすつもりでタバコを灰皿に持っていってもつい何かにぶつけてしまい火を落としてしまったり、タバコ自体を落としたりしてしまう事が往々にして起こります。
運転中であるがゆえに火種を落としてしまうとその処理に時間がかかってしまい、高確率で内装を焦がしてしまう結果に。
その車を乗り潰すつもりであればまだしも、将来の売却や買取を考えているのであればこういった点に気を配ることで評価の下落を最小限に抑えることができるでしょう。
ただ、運転中こそタバコを吸いたくなるんですけどね。停車中に吸うなら外で吸っても構わないわけですし。
当然ながら車内で吸わないことが最善なのは言うまでもありません。可能な限り車内での喫煙は避けるべきです…が、それができれば苦労はしないんですよね。
世の中の流れ的に喫煙者の置かれる立場は厳しくなる一方なので、買取査定を意識したのをきっかけに減煙や禁煙に取り組むことができるのであれば、それに越したことはありません。
車の売却をお考えの方は
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また一括査定では珍しく査定申し込みの時点で画面に売りたい車の概算価格も分かるという特徴があるため、その場である程度の査定額が想像できるというのも大きなメリットです。
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