社外パーツでの改造車の査定は下がる?上がる?

改造車の査定は下がる?上がる?

新車で買う際にディーラーオプションでのエアロパーツやマフラーなどといったパーツを取り付ければ買取や売却の際プラス査定になるのに対し、社外パーツで改造していた場合はマイナス査定になることも。

こんな話をよく聞きますが、実際にはどうなのでしょうか?

車は高いお金を出して購入するだけに色々と自分好みに仕上げたいところ。そしてデザインや性能的に純正オプションで満足できなければ、当然社外パーツが視野に入ってきますよね。

しかし、それが原因で売る時に買い叩かれるのは避けたいというのも本音。本当の社外パーツはマイナス査定になってしまうのか?それとも実はプラス査定になるのか?真相に迫ります。

純正オプションの強み

純正オプションの改造はプラス査定

そもそも、プラス査定になる純正オプションの強みとはなんなのか?

まず中古車の価格を決める要因をおさらいしておくと、極論で語るなら「人気」がすべて。つまり需要と供給のバランスで価格が決定します。

つまり中古車や買取額を決める要素は、純正オプションや社外パーツの違いではなく「需要がどれだけあるか?」にかかっているのです。

そいうったことを踏まえ改めて改造車に目を向けると、純正のオプションパーツはメーカーが作っているだけに信頼性が高く、エアロなどのデザインは万人受けするよう比較的控えめ。

個体差のある市販車から型取りする社外品と違い、完璧な寸法をもとに作られるためフィッティングも良い。

マフラーなども音量は控え目で車のデザインを損なわない形を採用していることあって需要は高く、査定にプラスになる事は当然といえます。

純正オプション品のほとんどは新車の段階で付けることも相まって、改造車というよりはグレードの一種的な意味合いが強いことも人気の理由か。

■純正オプションでの改造は査定でプラスに働く事がほとんど

社外パーツ改造のマイナス点は精度と信頼性の低さ

一方で社外パーツで改造した車はどうなのか?

社外パーツというのは純正オプションと違い様々なメーカーが多くの部品を出しているため一口に「改造」といってもその程度やセンスなどは多種多様であり、一概にプラスやマイナスと決め付ける事はできません。

しかし、社外パーツというのは純正オプションに比べ様々な面で精度が悪く、また信頼性が低いという認識が一般的。

例えばエアロパーツひとつとっても、いかにも後付感たっぷりで車が本来持つデザインを損ねる形をしているものも多い。製作者や購入者のセンスを疑ってしまうようなものも散見されますよね。

また精度の悪さも問題。純正オプションと違い個体差がある完成品の車で型取りするため、フィッティングがいまいち。

一般的には取り付けや塗装を行う板金屋がパテなどを用い修正しますが、その手間や金をケチるとパーツが浮いていたり隙間が空いていたり、ドアやリアハッチに干渉して錆びていたりする場合も見受けられ、これらが嫌われる原因にも。

一方、スポーツカーなどではマフラー、エアクリーナーの交換といったライトなものであれば社外品でもプラスなる場合もあります。有名メーカーのパーツであればなおさら。

しかし、もっと改造が進めみタービン交換やエンジン内部にまで手が入ると、高額な改造費とは裏腹に「パワーを搾り出し荒く使われていた」という点でマイナスになります。

つまり社外パーツでの改造車というのは、車が本来持つデザインや信頼性を大きく損ねる点が嫌われる大きな要因であるといえるのです。

また改造車は車高が下がっていたりエンジン特性がピーキーになっていたりと、様々なシチュエーションを想定し造られる車のマージンを削っており、一般的には使いづらい車となっている事がほとんど。

前述したように中古車の相場というのは人気がすべて。“人気”というのは多くの人が欲しいと感じることを意味しています。「万人受けしない=人気が無い」となり査定額は低くなる傾向にあるのです。

ただ、改造には非常の多額の費用が必要となりますよね。ノーマル車を買って一からいじっていくと何十万、何百万円とかかるため、進んで自分の好みに近い改造車を探す人がいるのも事実。

そういった方を対象とした改造車を専門に取り扱っている中古車屋や買取業者も存在します。もし社外パーツでがっつり改造している場合はそういった業者に持ち込むことが高額査定を引き出す近道かもしれません。

■改造車は車の安全マージンを削り信頼性を損ねるため避けられる
■社外エアロは造りが雑でデザインを損ねる事も多いため避けられる

査定にプラスになる改造車や社外パーツは?

買取の査定でプラスとなる改造といえば、上でも書いたように純正オプションを用いたものが挙げられます。これならばマイナスになる事はほとんどないでしょう。

では社外パーツでプラスになるものはないのか?

これは買取業者の改造車に対するスタンスによっても変わってくるので一概には言えませんが、ライトチューンでカッコよく決まっている車であればプラス査定になる事は十分に考えられます。

代表的なものはアルミホイールや車高調、ダウンサス。これらはノーマル車の野暮ったさを解消し見た目を引き締めることから、よほどダサいアルミや極端な車高ダウンでなければ好まれる傾向に。査定でもプラスになる可能性が高まります。

マフラーなどはセンス次第。落ち着いたデザインで車の性格に合っており、かつ音量も控えめであれば買取額のアップを望めますし、逆に車に合わないデザインで爆音となれば査定にはマイナスに働くでしょう。

エアロパーツはセンスとブランドが大事

エアロパーツに関しては人気のブランドで統一され、精度もよく違和感なく綺麗に取り付けされていればプラスになる事が多くなるものの、複数のメーカーのミックスや取り付け精度が悪いものは確実にマイナスになります。

安い社外のエアロはFRP独特の波打ちが酷い場合が多く、そのまま塗装して取り付けると面が綺麗に出ず見た目が悪くなります。それを解消するには板金屋に追加の料金を払い塗装の前にパテを盛って削る事により面を出してもらう必要が。

社外エアロの波打ち

しかし、そこまでするにはそれなりの出費が必要になることから、多くの社外エアロはそこまでせず波打ったまま取り付けられているのが現状なのです。

仮に自分が車を探しているとして、波打って明らかに後付け感があるダサいエアロが付いた車を欲しいと思いますか?そういった背景から社外エアロはマイナス査定になる可能性が高いといえます。

内装パーツのプラス査定は望めない

エアロなどの外装以外の内装関連では、改造とまではいえない社外オーディオやナビなどは基本的にプラス査定にはなりません。こういったものは一体感のある純正オプションが好まれるのが大きな理由。

ただし、穴を開けて取り付けたり強力な両面テープによって貼り付けたりするパーツでもない限り取り外しが可能な場合が多いため、内装のパーツでマイナスになることは少ないのも確か。

要は車の信頼性を損なわず、かつ多くの人間が「かっこいい」と感じるセンスの良いライトチューンであればプラス査定になる可能性は十分にあるということになります。

■センスのよいアルミや車高調、ダウンサスは社外でもプラス査定が
■社外のオーディオやナビもプラス査定になる可能性大
■社外エアロパーツはお金をかけて人気ブランドで統一しないとマイナス

純正パーツを取ってある場合は可能な限り純正に戻す

純正パーツに戻して査定アップ

上の項目では社外パーツを使った改造でプラス査定が期待できるケースを紹介しましたが、もし交換する際に純正のパーツを取ってあるのであれば、査定前に出来る限りこれに交換し純正に近づけておく事をお奨めします。

理由は社外パーツでプラス査定されるとしてもその額は微々たるものであるから。

それならば純正に戻した上で取り外した社外パーツをヤフオクやメルカリなどに出品した方がトータルで確実にプラスになります。

査定でマイナスになりそうな改造をしているのであれば特に効果が大きく、純正に戻すことで車の買取額が上がる上にパーツを売る事による利益も出るのですから純正パーツに交換しない手はありません。

ただ、それは自分で交換できる部分に限るべき。よほど高価なパーツ以外は工賃を出してまでお店に頼むとむしろ赤字になる可能性もあります。

こういった事を踏まえ、今の車や新たな車をこれから改造しようと考えている方は可能な限り純正パーツは保管しておくようにしましょう。

■純正パーツを取っている場合は可能な限り純正に近づける
■取り外した社外パーツをヤフオクなどに出せば思わぬ収入になる事も

改造車を買取や売却の査定をしてもらうにあたって

改造車の売却を考える場合、もしちょっとした手間をいとわないのであれば、まずそのままの状態でいくつかの買取業者に査定を出してもらって下さい。

その際に「もしこれがフルノーマルだったらいくらくらいになりますか?」と聞いておき、また可能であれば保管してある純正パーツに交換した際の査定額も聞いておくとベストでしょう。

そして次に改造車専門の買取業者に査定してもらい、それらの査定額が出揃ってから改めてそのまま売るか、それとも可能な限り純正パーツに代え外した社外パーツはオークションで売るか、またどの業者に買い取ってもらうかを判断して下さい。

ネットの一括査定を活用して大まかな査定額を調べる方法もありますが、改造箇所が多い場合実車での査定と大きく異なる事も考えられますので、こちらはあくまでも参考程度、もしくはフルノーマルの価格を調べる目的で。

改造は車を自分好みに仕上げる非常に楽しいものですが、過ぎた改造を行えば買い手が付きづらくなるのは間違いありません。将来の買取や売却まで考えるのであれば小奇麗なライトチューンまでに留めるべき。

社外パーツによる一定以上の改造を行いたいのであれば、査定ダウンは覚悟しておきましょう。

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