リセールバリューの高い車・低い車は?
皆さん車のリセールバリューって気にしていますか?
一般的に長い人選の中で車は何度も買い替えるもの。多くの場合買い替え時にはこれまで乗ってきた車を売却することになりますよね。その際に少しでも高く買い取ってほしいと考えるのは自然なことです。
いくらで買い取ってもらえるかは年式や走行距離、修復歴などが大きく影響するものの、それ以上に重要になるのが「車種」です。当たり前ですが。
新車時は同じ値段のだったとしても売却時に同じ値段になるとは限らない。そこで重要になってくるのがリセールバリューなのです。
具体的にリセールバリューとはどういったものなのか? リセールバリューが高い車・低い車とはどういったものなのか詳しく解説していきます。買取はもちろん車選びの参考にしていただければ幸いです。
リセールバリューとは?
リセールバリューとは簡単に言ってしまえば車を売却する際に買値に対しどのくらい高く買い取ってもらえるかを数値化したもの。
車の価格というのは数十万円のものから数千万円のものまでピンキリなので、リセールバリューの考え方は「買値に対し○○万円で売れる」というものではなく「買値の○○%で売れる」という考え方になります。
つまり買値に対し高いパーセンテージで買い取ってもらえる車が「リセールバリューの高い車」ということになり、これが高い車というのは3年後の買取価格が車両本体価格の60~70%くらいになることも。
一方でリセールバリューの低い車の場合、3年後の売却時点で車両本体価格の20~30%程度でしか売れないことも。数年後の買い替えや売却を視野に入れて車を購入する方にとっては非常に気になる指標だといえます。
中古車市場において価格を決める大きな要因は「人気」。リセールバリューが高い車というのは供給より需要が勝っている車、もしくは高くても売れるだけの価値を持った車ということになります。
例えば新車時に人気の高く販売台数でトップ争いをするアクアやプリウスのリセールバリューが高いかと問われれば必ずしもそうではありません。
逆に新車ではあまり売れないスポーツカーなど趣味性が高い車のリセールバリューは高い傾向にあることから、新車時の販売台数は関係なく、中高車市場の“需要と供給”がリセールバリューに大きく影響しているのは間違いありません。
もちろん「リセールバリューなど気にせず好きな車に乗る方が良い」という方も多くいらっしゃいますが、購入候補にいくつかの車が挙がっている場合リセールバリューが決め手になることも。
「どうしてもこの車でないとダメ」という状況でないのであれば、リセールバリューの高い車、低い車を知っておいて損はないでしょう。
リセールバリューの高い車は?
では具体的にリセールバリューが高い車を見ていきましょう。
トヨタ車と軽自動車はリセールバリューが高い傾向
個別の車種ではなく全体的な傾向としてリセールバリューの高い車を挙げるなら、「トヨタ車」と「軽自動車」が真っ先に挙げられます。
世界的に信頼性の非常に高いトヨタの車は多くの需要があり、特にランドクルーザーやハイエース、レクサスといった国内外問わず人気の高い車種のリセールバリューには目を見張るものがあります。
興味深いのはこれらの車は高級車であったり社用車メインであったりで乗用車販売台数ランキングで上位に入ってくることはない点。ゆえに「売れている車=リセールバリューの高い車」ではないことが伺えます。
一方の軽自動車は新車でも非常に多く売れており、各種税金の安さなども相まって様々な面で実用性に優れている車ということでリセールバリューも高い優等生。
特にN-BOXやタントといった軽トールワゴンのリセールバリューは目を見張るものがある。昔に比べ新車価格はかなり上がっていますが、売却する際の価格も上がっているため実質の出費はそれほど増えていないのかもしれません。
ただ、軽自動車税が従来の7,200円から10,800円に上がったこと、2019年から小排気量車を中心に普通車の自動車税が減税になることから、今後軽自動車の需要に若干の悪影響があるかもしれません。
リセールバリューが高い車は?
リセールバリューの高い車というのは季節や時期により多少の変化は見られるものの、高い車種というのはある程度決まっています。代表的なもの挙げると…
メーカー | 車種 |
---|---|
トヨタ | ランドクルーザープラド |
トヨタ | ランドクルーザー |
トヨタ | ヴェルファイア |
トヨタ | アルファード |
トヨタ | ハイエース |
トヨタ | ハリアー |
トヨタ | C-HR |
ホンダ | N-BOX |
スズキ | S660 |
ダイハツ | タントカスタム |
中古車市場というのは水物で人気車種というのは常に入れ替わるため「間違いなくリセールバリューが高い」と言い切れる車というのは限られてきますが、トヨタのミニバンやトールワゴンは近年安定して高いリセールバリューを維持しています。
また、近年の世界的なSUVブームによりハリアーやC-HR、CX-5、ヴェゼルなども高い。ただ、SUVブームがいつまで続くかは未知数であるため、実用性が高いミニバンやトールワゴンに比べると安定性に欠けるでしょう。
特にアルファードとヴェルファイアは新車市場でも非常に人気の高い車種で、中古車市場でもその人気を保っていますが、型落ちになるとどうしても買取価格は大きく下がってしまうため、現行の3代目アルヴェルに比べると2代目はかなり落ちる。初代にいたっては捨て値といっても過言ではないでしょう。
N-BOXやタントも新車市場では非常に人気の高い車種であるものの、それゆえに中古車市場では若干ダブついている感があり、やや希少価値があるカスタム系のスティングレーやカスタムのリセールバリューが高くなっています。
ランドクルーザー系やハイエースに関しては多少型遅れになってもあまり人気が落ちることはありません。海外でも引く手あまたであるため販路に困らず高値を維持しています。
4代目ジムニーのリセールバリューに注目
最新の注目株としてはジムニーが挙げられるでしょうか。
20年振りにフルモデルチェンジをしたスズキの軽自動車ジムニーや、普通車規格となるジムニーシエラは発売以来多くのバックオーダーを抱え、それだけに買取価格も非常に高価。
バックオーダーが解消される頃には買取査定額も一定の落ち着きを見せるでしょうが、そもそもジムニーは趣味性が高い車であるため値崩れを起こす可能性は極めて低い。
軽規格ながら本格的なクロスカントリー4WDということを考えると価格はバーゲンプライスと呼べるもの。リセールバリューも高いことから真剣に検討するだけの価値がある。
ただし、乗り心地とか気にする人は止めておいた方がいい。あくまでもおもちゃ。
■現行車であればアルファードやヴェルファイアのリセールも高い
■軽自動車で特にリセールバリューが高いのは各種カスタム系
スポーツカーは古くてもリセールバリューが高い
上記のリセールバリューの高い車というのは比較的新しい年式の車をメインにしていましたが、では登録から10年以上経つような車のリセールバリューはどうなのでしょうか?
多くの車の場合10年落ち以上になれば査定は0円を覚悟しなければなりませんが、これに当てはまらないのがスポーツカーなどの非常に趣味性の高い車になります。
特に排ガス規制により2002年8月に一斉に姿を消したR34スカイラインGT-RやS15シルビア、80スープラやFD3SRX-7の人気は非常に高く、販売終了から10年以上経った今でも相場は上昇傾向にあり高値の買取が期待できます。
中でもスカイラインGT-Rやスープラ、RX-7は海外での人気も高く、今後どんどん海外に流出していく可能性も。そうなるとさらに価値が上がるかも。
また平成初期に発売されたビートやカプチーノといった軽スポーツも高値で安定しており、最終型でも20年以上が経過した現在においてもそれなりの査定額が付く非常に人気の高い車種といえます。
販売台数は少なかったものの、趣味性が非常に高く人気のあるスポーツカーは他の車種では考えられない驚くほどの高値で取引されています。
■ビートやカプチーノなどの軽スポーツも高値安定
リセールバリューが低い車は?
リセールバリューが高い車がある一方で、当然ながらリセールバリューの低い車というのも存在します。
リセールバリューが低い車というのは中古車市場で人気のない車を意味し、一部のスポーツカーやSUVといった趣味性の高い車を除き新車時に不人気だった車の多くがこれに当てはまります。
また、新車時には非常に高い人気を誇った車でも、それが仇となって数多く中古車市場に出回り在庫がダブつき、その結果価格が下落しリセールバリューも落ちてしまう場合も見受けられます。
フィットやヴィッツといった人気車種の普及グレードで、かつ型落ちした車などに特にその傾向が。買う方としては嬉しいが、売却する立場としては悲しい現実。
輸入車・外車もリセールバリューが低い傾向にあり、特にメルセデスやBMWのミドルサイズや中間グレードはプレミア感もなく、また車の信頼性も日本車に比べ低く、修理や車検の費用が高いこともありリセールバリューは相当低くなります。
代表的なのはベンツのCクラスやEクラスの廉価グレード、BMWの3シリーズや5シリーズの廉価グレードあたりでしょうか。
ただ、台数の限られるフェラーリや趣味性の高いMINIの中でも上位のクーパーS、希少で根強い人気があるアバルト500などは中古車市場でも高値を維持しており、必ずしも輸入車すべてのリセールバリューが低いとは言い切れません。
20年以上昔のポルシェのターボモデルなども非常に人気がありますね。
ただ、全体的に見れば輸入車・外車はリセールバリューが低くなる傾向にあるのも確か。趣味性が低く希少価値もない輸入車は総じてリセールは渋くなると考えておいて下さい。
■新車時に人気車種でも在庫がダブつきリセールバリューが悪化する場合も
■輸入車で趣味性、希少性の低い車は総じてリセールバリューは低い
リセールバリューについてのまとめ
今乗っている車を売るとなった時、少しでも高く買い取ってもらいたいと思うのは当然ですよね。そういったことから3年後、5年後の売却に際し予想買取額を数値化したリセールバリューという概念が出てきました。
しかしリセールバリューを意識するあまり1番買いたかった車を諦め2番目、3番目の候補を購入する選択が良いとは思えません。
リセールバリューというのはあくまでも予測の数値であり、仮に今買う車のリセールバリューの予想が3年後60%として、実際に3年後に60%が維持されている保証はどこにもないのです。
上でも触れたとおり人気車種というのは高めのリセール予想が出る一方、将来在庫がダブつき買い取り価格が下がる可能性も十分に考えられます。
車を完全な道具として割り切っているのであればリセールバリューを重視して買うという選択肢もありだとは思いますが、自分なりの好みやこだわりがあるなら確実性のない数年後の10万20万円程度の差額など考慮せず、今自分が一番乗りたい車を乗るほうが後悔はないと思います。
リセールバリューを意識するべき場面は、同じ価格帯の車なのにリセールバリューに看過できないほど大きな差がある場合や、購入候補の車数台に順位付けが出来ないほどの迷いが生じている場合の最終手段として…といった感じでしょうか。
もちろん車に対する価値観は人それぞれですから一概に「こうするべき」とは言えませんが、多くの場合一度購入すれば5~7年程度付き合うことになる車ですから、リセールバリューばかりに気を取られず後悔のない車選びをしてください。
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