エンジン不調や故障、焼き付きの際の車買取

エンジンが故障している車の買取は可能?

車の心臓部といえるエンジン。これが正常に動いていないと車が機能しないことくらい誰でも知っていると思います。それだけにエンジンに異常を抱えている車は買い取ってもらえないと思っている人も多いのでは?

結論から言えばエンジンが不調だろうが壊れていようが焼き付いていようが買い取ってもらえます。まったく査定が付かない場合においてもこちらが処分費用を負担するような事態にはなりません。

とはいえエンジンが壊れていたり不調だったりすれば買取額が減額されるのも確か。

エンジンの状態が買取額にどのくらい影響してくるのか、ここでは実際の数字や減額幅を提示し詳しく紹介したいと思います。

    目次
  1. 調子が悪いエンジンのマイナス査定幅
    1. ガソリンエンジン
    2. ディーゼルエンジン
    3. ロータリーエンジン
    4. ハイブリッドエンジン
    5. EV(電気自動車)
  2. エンジンに付随するパーツが故障している場合は?
  3. 買取査定前に修理しておくべき?
  4. 査定の際エンジン不調を申告する必要あるの?
  5. 買取査定前にエンジンルームの清掃は行っておこう
  6. まとめ

調子が悪いエンジンのマイナス査定幅

日本自動車査定協会(JAAI)は買取の際の厳密な査定基準を提示しており、車の心臓ともいえるエンジンに関しても明確な基準を設けています。

とはいえ「エンジン」と一口に言っても動力機関は複数存在しますよね。思いつくだけでも下記のようなものが挙げられるはず。

  • ガソリンエンジン
  • ディーゼルエンジン
  • ロータリーエンジン
  • ハイブリッドエンジン
  • EV(電気自動車)

これらのエンジンが不調の場合どのくらいのマイナス査定になるのでしょうか?以降の加減点は1点につき1,000円マイナスが基本になるので参考にしてください。

ガソリンエンジン

ハイブリッドが増えたとはいえ、いまだ主流といえるガソリンエンジンの状態による減点は以下のようになっています。

査定区分 減点の区分及び細則 減点
基本 油汚れ等がなく、手入れも良く、一般調整程度で再販可能なもの
調整 アイドリング不良、排気色黒、ルーム内汚れ大 20
修理 タイミングベルトの異音、ヘッドガスケットよりのオイル漏れ、排気色白色のもの 60
O/H エンジン始動せず又は焼付き等 実費

排気ガスが黒い場合はガソリンが濃い、センサーの不具合などが原因である場合が多いことから調整で済むことがほとんど。そのためマイナス査定幅は2万円(20点減点)それほど大きくありません。

しかし排気ガスが白い場合はオイルも一緒に燃焼している可能性が高くなり、エンジン内部の修理が必要にケースが多くなるため減点幅も大きいものに。

エンジンが故障している場合は「実費」。オーバーホールするにしろ中古のエンジンに乗せ換えるにしろ数十万円の査定ダウンは避けられません。

ディーゼルエンジン

排ガスの問題などにより日本において一時絶滅寸前にまで追い込まれたディーゼルエンジン搭載の乗用車。しかしマツダのクリーンディーゼルを皮切りに若干盛り返してきた感があります。

そんなディーゼルエンジンの不調による減点もガソリンエンジンと基本は変わらないものの、一部に相違があります。

査定区分 減点の区分及び細則 減点
基本 油汚れ等がなく、手入れも良く、一般調整程度で再販可能なもの
調整 アイドリング不良、排気色黒、ルーム内汚れ大 20
修理 排気色白色のもの 90
O/H エンジン始動せず又は焼付き等 実費

ディーゼルエンジンにタイミングベルトが使われることはほとんどないため、タイミングベルトの異音という項目は削除されています。

一方、ディーゼルエンジンの白煙はオイル上がりであるケースが多く、修理も高額になりがち。それだけに明らかに白い排気ガスが見られる場合のマイナス査定額はガソリンエンジンより大きくなっているのです。

ロータリーエンジン

マツダのみが製造しているレアなロータリーエンジン。

RX-7が2002年に製造中止になり、その後登場したRX-8もすでに生産終了しているため、現段階で新車で買えるロータリーエンジン搭載車はないものの、独特の乗り味に中古車市場でも根強い人気があります。

査定区分 減点の区分及び細則 減点
基本 油汚れ等がなく、手入れも良く、一般調整程度で再販可能なもの
調整 アイドリング不良、排気色黒、ルーム内汚れ大 20
修理 エンジンからの異音 60
O/H エンジン始動せず又は焼付き等 実費

エンジン不調による減点は基本的にガソリンエンジンと同様。ロータリーエンジンにはタイミングベルトは存在しないため、タイミングベルトの異音という項目は削除されています。

修理に関してはエンジンからの異音のみが記載されていますが、もしマフラーから白煙がモクモク出ている場合は要注意。最悪の場合タービンブローというケースも。このあたりは査定士の判断を仰ぐ必要があるでしょう。

ハイブリッドエンジン

近年増え続けているハイブリッド車。エンジンとモーターを組み合わせ効率よく駆動するため燃費と低速トルクに優れるのが特徴。

ハイブリッド車といえどエンジンに関しては普通のガソリンエンジンと変わらないため、不具合による減点は前述のガソリンエンジンのものを適用することに。

一方、モーターに関連する不具合に関しては「実費」となります。

EV(電気自動車)

エンジンを搭載しないEV(電気自動車)の場合、動力関係の不具合すべてが実費になります。

電池の寿命の都合上買取額が安くなる傾向にある電気自動車。動力機関に不具合があるとマイナス査定の幅も大きくなるため、現状では将来的な買取のことを考えると選択肢から外した方がいいかもしれません。

エンジンに付随するパーツが故障している場合は?

エンジン本体の不調や故障に関する減点は前述したとおりであるものの、エンジンルーム内の補機類の状態も査定に影響してきます。

主だったパーツの修理や交換による減点は以下のようになっています。

査定区分 減点の区分及び細則 減点
基本 点検程度で良いもの
修理 ターボチャージャー オイルにじみ 1個 70
O/H 噴射ポンプ O/H 180
交換 ターボチャージャー 不良(本体交換、センサー部除く) 120
ファンベルト交換 10
オルタネータ交換 40
スターター交換 40
ウォーターポンプ交換 25
オイルパンパッキン交換 20
ラジエーターAssy交換 70
フューエルタンクAssy交換 30

補機類で特に高価なのがディーゼルエンジン用の噴射ポンプや、パワーを絞り出すためのターボチャージャー。ここに明らかな異常がある場合、10~20万円の査定ダウンを覚悟しておく必要があるでしょう。

買取査定前に修理しておくべき?

エンジンの不調は買取の際の減額が大きくなりがち…であれば、車買取査定に出す前に修理したほうが良いと考える人もいるかもしれません。

しかしそれは絶対に避けるべき

例えばエンジン関連の何らかの不調により10万円のマイナス査定になってしまうとします。だからその個所をディーラーや修理工場で修理すれば10万円のマイナス査定は避けられるでしょう。

しかしその修理に20万円かかるとしたらどうでしょう?10万円の損を埋めるために20万円かける…こんな馬鹿な話はありませんよね。

一般的にユーザーが自分で修理に出すより車買取業者など自動車関連業者経由で修理したほうが修理費は圧倒的に安くなります。そのため自費による修理よりマイナス査定幅のほうが小さくなるのです。

もしエンジンになんらかのトラブルを抱えている車を手放そうと考えている場合、自分で修理してから買取してもらうよりそのまま買取査定に出すのが最も損失を抑えられる方法なのです。

査定の際エンジン不調を申告する必要あるの?

ある程度長い期間同じ車に乗っていると「なんとなくエンジンの調子が悪いな」「何か違和感がある…」と感じることもあるでしょう。そういった車を買取に出す際、査定士に申告する必要はあるのでしょうか?

これはケースバイケースと言わざるを得ません。ただし、よほど状態が悪いものでない限りあえて申告する必要はないでしょう

例えばオーバーヒートしてしまった、冠水してエンジン内部にまで水が入ってしまった等、エンジンに致命的なダメージがあり、かつオーナーが分かっていないはずはない不具合に関しては必ず申告すべきです。

もしこれを隠してしまうと、瑕疵担保責任に問われ買取のキャンセルや損害賠償請求に発展してしまう恐れがありますからね。

一方「なんとなく調子が悪い」「買った時には聞こえなかったちょっとした異音がある」といったレベルのものであれば基本的に申告する必要はありません。

なぜなら、こういったちょっとした異常や違和感は持ち主であっても気付かない場合も多く、知らなかったからといって責められるものではないから。ゆえに知らないふりをしても特に問題はありません。

そもそも査定時には実際にエンジンをかけて異音や機関の調子をチェックしますので、それで判断できない査定士に問題があるという考え方も。

極論をいえば買取してもらった直後に調子が悪くなる可能性もゼロではありませんしね。明らかに悪質でない限り買取業者も目をつぶるのが一般的なのです。

ただし、知らないふりをするなら自信を持ってハッキリきっぱりと「特に異常はありません」と言い切りましょう。変に濁らせると心象が悪くなったり疑いを持たれてしまったりする原因になります。

エンジンに深刻な異常がある場合は包み隠さず申告を。軽度の違和感や異常であれば自信たっぷりに「問題ない」と言い切りましょう。

買取査定前にエンジンルームの清掃は行っておこう

車に乗っていればエンジンルーム内はどうしても汚れてきます。

軽く埃りをかぶっている程度なら問題ありませんが、長年の汚れが蓄積しているようなら買取査定前に軽く掃除しておくべき。

前述したエンジンの減点表を見てもらえば分かるように、マイナス査定にならない基本の状態というのは「油汚れ等がなく、手入れも良い」というもの。ルーム内の汚れが目立つ場合20点減点になると明記もしてあります。

ちょっとしたオイル漏れ程度であれば清掃することによって綺麗に拭き取ることができ、査定士に余計な疑いをもたれる可能性が減少します。もちろん「大事に乗っている」というアピールにも。

エンジンルームは普段あまり目にしないところだけに、ここを綺麗にしておくかどうかは大きなポイント。エンジンルーム内清掃は買取前の洗車なんかよりよっぽど大きな意味を持つかもしれません。

エンジン不調による買取査定への影響まとめ

エンジンは車の心臓部であり、かつ修理に手間がかかるだけに不調やトラブルは買取査定において大きなマイナスになります。

それを回避するには日頃のメンテナンスが重要に。最低でもエンジンオイルや冷却水の管理、タイミングベルトの交換はしっかりと行っておくべき。これだけやっておくだけでもエンジントラブルの可能性を大幅に減らすことができます。

とはいえ、仮になんとなく調子が悪いというレベルであれば査定の際にわざわざ申告する必要はありません。それをしっかりチェックするのもプロの仕事。それを見逃す査定士が悪いのです。

まあ、エンジンをかければ一発で分かる明らかな不調やトラブルであれば申告するべきですけどね。その際は10万円以上のマイナス査定を覚悟しておく必要があるでしょう。

だからといって査定前に修理しようなんて考えないでください。なぜなら自分で修理した際にかかる金額と、そのまま査定に出した際のマイナス査定額を比べれば、ほぼ100%修理に出した際の金額の方が高くつくから。

エンジン不調はマイナス査定額が大きくなる傾向にあるものの、そのまま車買取査定に出した方が実質的な損は少なくなると覚えておいてください。

すでにエンジンが不調である場合は手遅れですが、遠くない将来車を売却しようと考えているのであれば、最低限のメンテナンスを行いエンジンの調子を落とさないよう留意したほうがいいでしょう。

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