走行距離の多少が車の査定に与える影響
車に乗っていればどんどん伸びる走行距離。
走行距離が伸びれば伸びるほど車の様々な部分に多くの負担がかかることになり、それだけ車の寿命は縮むことになります。
そのため中古車を買う立場からすれば少しでも走行距離の少ないものを選びたいですし、売る側にとっては走行距離が少ないものほど高く売れます。
車の「程度」に直結する走行距離ですが、同一車種の場合具体的にどの程度査定額に影響してくるものなのでしょうか?実際の査定表を見ながら詳しく解説していきたいと思います。
走行距離と査定額の詳細
車の査定に関しての基準は日本自動車査定協会(JAAI)が指針を出しており、これを元に乗用車の走行距離が査定額に与える影響を見てみたいと思います。
JAAIでは乗用車と軽自動車の車格を8つにクラス分けし、走行距離に関してはこれを3グループに分け目安となる加減率を示しています。
ちなみにこの「加減率」とは、車の基準査定額に対して何%増減されるのかを示しており、ひとつの表で幅広い車種に対応できるメリットがあります。
では実際に見てきましょう。
高級車の走行距離による査定額の加減率
まずはトヨタのセンチュリーやクラウン、日産フーガ、レクサスなど高級車が属している特C~Ⅰクラスの走行距離による加減率を見てみましょう。
例えば3年落ちで基準額400万円の車の走行距離が5万kmだった場合、「使用経過月数33~36ヶ月」と「走行距離50(千km)」を照らし合わせるとマイナス9%であるため査定額は364万円になるといった見方になります。
参考までに、5年乗って走行距離が50,000kmの場合は基準額から3%減、75,000kmだと13%減、100,000kmで21%減となります。
大衆車の走行距離による査定額の加減率
続いてマークXやスカイライン、ノアやヴォクシーなど、排気量2000~3000ccクラスの大衆車の走行距離による査定額の加減率も見てみましょう。
高級車とそれほど大きくは変わらないものの、エンジンがやや小さいとあって想定される標準走行距離はやや少な目に設定されており、それに伴って距離が伸びれば減少率はより大きくなる傾向に。
こちらも5年乗った際の参考例を挙げると、走行距離が50,000kmの場合は基準額から5%減、75,000kmだと15%減、100,000kmで23%減となります。
コンパクトカー、軽自動車の走行距離による加減率
最後に、フィットやヴィッツに代表されるコンパクトカーや、高い人気を誇る軽自動車の加減率も掲載しておきましょう。
ここでも5年乗った際の減少率を見てみると、50,000kmで8%減、75,000kmだと一気に23%減、100,000kmにいたっては32%減とかなりの減少率に。
高級車と大衆車の加減率にはそれほど大きな差はありませんでしたが、コンパクトカーや軽自動車の場合は減少率が明らか高い。小さいエンジンや車体は走行距離での劣化が大きいと判断されることが見て取れます。
昔に比べコンパクトカーや軽自動車の寿命は延びたと言われますが、同じスピードで走るにしてもエンジンが小さければそれだけ負担大きくなるため、こういった評価は致し方ないのかもしれません。
走行距離が査定に与える影響
一般的に車の査定は「1年=1万km」くらいを想定していると言われていますが、上記の表を見る限りそれが当てはまるのは2年までで、その後は5年5万kmなど「1年1万km」の範囲に収まっていても査定では若干マイナスになることが分かります。
また、過走行による査定額の減少率より低走行による査定額の増加率のほうが明らかに低く、1800cc以上の乗用車では5年で7万km走ると基本価格に対してマイナス13%なのに対し、5年で3万kmの場合はプラスマイナス0となっています。
これらはあくまでも目安で車種によって細かい違いはあるものの、査定額のプラスを期待して極力乗らないようにするというのはあまり有効な手段ではないのかもしれません。
基本的に1ヶ月1000kmくらいまでの常識的な使用で現実的な査定額が付く年数であれば減少率はコンパクトカーなどでも最大20%くらいなので、仮に6年乗って基準となる買取価格が20万円であればその差は3~4万円程度となります。
古ければ古いほど走行距離はあまり気にする必要はないのかもしれません。
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